やあ、同志よ私だ元気にしているかい?
あんたは誰かって?
もう忘れてしまったのかい
てめーは誰だって言う奴は、
File.00_身も心も死んでいた【プロローグ】から過去ログを参照してくれ
今日は、前回の話の続き移転2年目の話をしよう。
不動産を買うなら不動産に関わる税金の基礎くらいは学ぼう
不動産は、会計上では「資産」だ。まとまった資産を取得しらた税金が掛かる
経営者としては駄目な男だが、店は何とか運営できていた。
しかし2年目のとある出来事から一気に赤字転落、自転車操業になる。
それはお国(地方)からの税金徴収だ
男は自前の店を持つのに土地建物含めた全ての物を自分名義の所有物にしていた
当然、税金がかかってくる。
君は「不動産の固定資産税」と「自動車の重量税」「物を購入した時の消費税」という税金は良く聞くだろうか。
中でも土地と建物と店舗設備にかかるものは、大きな金額になりやすい。
不動産には「取得税」というものがある、それは購入した不動産価格によって税金の額が決まってくる。
おおよそだが、概算の固定資産税評価額(購入価格×0.6の金額)に対し土地に3%建物に4%の課税だ(当時の事業用の場合。現在は税率が異なることがある)
土地 1,500万円×0.6×0.03=27万円
建物 2,000万円×0.6×0.04=48万円
→27万円+48万円=75万円
この税金のことを知らないと恐ろしい。
新築の場合、翌年の4月以降になってから、ある日突然に「75万円税金を支払ってください」と言われるからだ。
さらに毎年、固定資産税も掛かってくる。
事業用の店舗には住宅のような軽減措置が付かないから
3,500万円×0.6×0.014=29.4万円
毎年30万円近い固定資産税になる。
結果、店舗の不動産にかかった2年目の課税額は約104万円。
ちょっとした軽自動車が新車で買える金額だ。
そして資産の価値は時間と共に無くなっていく
(※ちなみにこれらの税の計算式や結果に私は責任を持たない。なぜなら10年近く昔に男から聞いた情報を元に勝手に計算した皮算用だからだ。正確なものではないことを承知いただきたい。)
その不動産はホントに「資産」なのか?
突然だが、君に問題だ。
土地1,500万円+建物2,000万円の不動産を新築で購入した場合
購入した瞬間にどのくらいの資産が減っただろうか?
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さあ、いくら減ったかな?
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少々攻撃的な質問だったかもしれない。が悪く思わないでくれ。
答えは「1円も減っていない」だ。なぜだか分かるだろうか?
理由は《現金資産4,000万円》と《不動産資産4,000万円》を等価交換しただけだからだ。
よって資産は1円も減っていないことになる。
お金は減ったのに、その購入金額は即日経費にはならない。まずはこれを覚えておいてほしい。
つまり事業用に購入した店舗は、購入した瞬間に経費になるわけではなく日々使っていって劣化した分が「経年劣化」として経費になる。これを「減価償却費」というのだ。
長期で使用するモノに関してはその価値を長期に渡って償却(使用)するという観点から、購入費を何年かに分割して経費にするというのが税のルールだ。
事業用で使う設備・建物など購入価格が10万円を超える場合、その年の減価償却分しか経費として計上できない。(特例あり)
この男の場合、
土地 1,500万円
建物 2,000万円
設備 500万円
合計で4,000万円もの出費したわけだ。
「今年は店を買って4,000万円も出費したなぁ~。まあ銀行融資と他人の金だけど」
とか思っただろう。
しかし 、
建物2,000万円×0.046(22年償却)=92万円/年 償却
設備500万円×0.166(6年償却)=83万円/年 償却
※どちらも残存価格は考えていない
会計上では175万円しか出費していないことになる。
「ちょっとまてよ、土地代の1,500万円が抜けてるじゃんか!」
別に忘れているわけじゃない。
土地は劣化しないので、そもそも経費にも減価償却費にもならないのだ。
これから起業する人はぜひ覚えておいてほしい。
実際のお金の動きと、会計上のお金の動きは同じではない。
この金の動きの不一致こそ税金で泣いた理由の一つだ。
会計上「税金がかかる資産」が増え、税金の支払いに必要な「現金」が減っていく。
つまり、不動産という「資産」が「税金」という「負債」を呼込んだのだ。
そんな不動産は本当の意味で「資産」なのか?
ロバート・キヨサキの著書、「金持ち父さん貧乏父さん」の中で
金持ち父さんはこう言っている
「自分のポケットにお金を入れてくれるものが資産、金を奪っていくものが負債だ」と。
場合によっては、小分けに経費計上した方が税金的に有利になる場合もあるし、不動産投資の世界ではこれを上手に活用して資産を増やしたりする。
しかし、こういった税の基礎知識がなければその皮算用もできやしない。
皮算用ができるヤツなら普通は運転資金+税金分として銀行から余分に借入をするだろう。
皮算用でいい、大体の数字は自分で導くべきだ!
驚いたことにこの男にはそんな皮算用をする頭はなく、銀行マンが言うままに全てお任せで借金をしていたのだ。
餅は餅屋、専門家を頼ろう。税金のことなら税理士だ。
挙句の果てに、自分自身が勉強していないことを
「税金がきても払えるようにその分の融資も全部あの銀行マンにまかせていたのに」
と全部銀行マンのせいにしたのだ。
私は驚愕した。
「このおっさん本気で言ってるのか?」
当時お金の知識をまだ学んでいなかった私だったが、この責任転嫁の一言には驚いた。
親切な銀行の融資担当者が考えてくれる「税金分の融資」とやらは「購入した直後~その年の確定申告分」くらいのものだろう。場合によっちゃ考えてもいない。
それ以上先の未来にかかる税金は
営業利益から支払えるだろう優良経営者として認めたからこそ融資したのであって、
そうでなけれればそもそも銀行も多額の融資をしなかっただろう。
まあ、その銀行マンも「人を見る目が無かった」という意味で失敗したわけだが。
その銀行マン本人が困るわけではないから気楽なものでる。
間違っても銀行マンは融資をするプロであって税金のプロではない。
税金のプロは「税理士」だ。
そのくらい、社会人1年生でも知っている。
事前にどのくらいの税金がかかるのか、
節税する方法はどんなものがあるのか
当然、自分で調べなければいけない。
自分の生命線に関わる重要事項なのだから当たり前のことだ。
分厚い本を調べるのが大変なら、税理士に2~3万円払って一度でも相談にいくのがいいだろう。
彼らは税金の知識を売る事を生業にしている。
膨大な専門知識と自身の時間を、顧客別に合せて売っているのだ。
素人でもたった数万円を支払えば、その何十倍もの価値ある専門知識を仕入れられる。
専門家を有効に使わない手はない。
経営とは「自己責任」なのだ、知らなかったじゃ済まされない。
経営の全責任はすべて経営者自身にある。
バブル期に1発当たって成功した気になった男はなぜかこういう「経営の肝」のところは雇われ人以下の感覚しかもっていないのだ。
かくして、2年目で資金ショート赤字転落である。
ここからが本当の地獄の日々なのだ…