転職の失敗 摩天楼背景

やあ、同志よ元気にしているかい?

私だ資本主義の囚人シアンだ。

 

前回の過去ログは地元を去るために決意を固めたところまでだった。

その話の続きをしようと思う。

今日は、27歳の時に 様々な難から逃れるために地元を離れ転職し、その転職も失敗した時の話だ。

 

てめーは誰だって言う奴は

File.00_身も心も死んでいた【プロローグ】を参照してくれ

 

 

会社を辞めるなら会社都合退職を狙え!そのメリットは計り知れない

 

私は嫁を連れ

男の搾取から逃げるように地元を出た。

 

数年前に仕事で来たことのある所で

街並みや雰囲気が何となくいいなと思った場所を新天地に選んだ。

 

再出発のため狭めの1LDKのアパートを借りた。

 

引っ越す前から決めていた転職先は、業界NO.1の某警備会社

 

大手企業ならば、福利厚生と時間の管理がしっかりしていて、自分の時間が持てるのではと考えていた。

私は、何が何でも過重労働の建設業から離れたかったのだ。

 

履歴書は引っ越す前に会社に送付済みだ。

辞めた会社とは円満に会社都合で退職できたから、雇用保険(失業保険)の給付がすぐに降りた。

 

雇用保険がすぐから欲しかった私は「会社都合退職」にするために、

会社の「この現場が終わるまでは居てくれないか」という無理をしばらく聞いてあげたのだ。

 

辞めるなら「今辞められたら困る」タイミングを使って上手く「会社都合」を引き出した方がいい。

 

 

会社都合退職のメリット

 

会社都合にできる方はというか、是が非でも会社都合退職を勝ち取ることをオススメする

 

そのメリットは計り知れない

3ヶ月の待機期間を待たずに失業保険を受給する事ができるからだ。

 

その額は、前職の基本給の7割程度

 

自己都合退職の場合、勤続10年以内20代の退職で、3ヶ月の待機期間を待った後に3ヶ月の支給しか受けられない。

 

だが、会社都合にする事によって最大6ヶ月まで延長できた(当時)

今の制度がどうなってるかは分からないから、個別具体的な事はハロワのサイトでよく調べてくれ。

 

またこの受給期間が終わる少し前に職業訓練などを受けると受講している期間は支給をさらに延長出来ることになる。(これも残日数など要件あり)

 

失業保険(雇用保険)は最大限活用して転職しようと言う話だ。

お陰様で半年もの間、ゆっくりと療養する事が出来た。

 

この時はもう半分ニートだったな。

 

 

喜ぶべき大手企業の合格通知…だがまた試練が始まる

 

次の就職先の某警備警備会社

 

入社試験を受けるに当たってハードルが高かった。

最初の書類選考の返事だけで1ヶ月待たされた。

 

無事合格通知を受けて次回試験まで1ヶ月待たされ

続いて一次試験(筆記)を受け

 

また1ヶ月待たされ

合格通知→二次面接(面談)

 

また1ヶ月待たされ

 

もうこの辺で貯蓄も減ってきたので断ろうかと検討したけど…

合格通知→三次面接(重役面談と書類記入)

 

また1ヶ月待たされる。

ここまで来たのだからと我慢してしまう。

 

就職出来たのは最終的に履歴書を送ってから半年も待たされたのだ。

 

過重労働で麻痺した感覚に勤め人根性が座ってしまってたのだ、さっさと断って別の就職先を見つければ良かったと思うのだけどなぜかしなかった。

 

業界「大手」の合格通知が私を捕縛したのだ。

 

中小企業の無きに等しい福利厚生にウンザリしていた私は「大手=福利厚生が厚い」という魅力に捕らわれていた。

 

 

 

セキュリティ警備業に携わると個人特定情報を全て提示しなくてはいけない

 

人の財産を守る仕事な為に、身の潔白を証明するための書類選考が必要なのも分かる。

 

指紋を手のひらまで全部取られ

親族の犯罪歴の有無まで確認される。

 

就職に当たっての訓練研修も1週間泊まり込みだ。

さすが大手、しっかり教育が行き届くプログラム。

創業者の理念も素晴らしいものだった。

 

この時は期待値の方がでかかった。

 

 

そうしてようやく、職場が決まった。

私が配属された場所は、地方の大手の百貨店の常駐警備。

 

新たな気持ちでゼロからのスタートだった。

 

 

 

転職して給与減。家計は出費の大幅見直しを迫られた

 

施設警備は給料が安かった。

月の支給は手取りで14万円と遊ぶ金など一切ない。

 

嫁と2人に暮らすには少々努力が必要だった。

嫁と相談しなからキャッシュフローを稼ぐため、固定費を削減する。

 

まず車を手放した。(普通車で月平均3万円削減)

保険をライフプランに合わせて組み立て直す。(1万円削減)

 

不要な物は削る。

 

代わりに貯めていたお金で自転車を買った。

仕事で使う通勤車両だ。(脚で経費を浮かせる)

 

嫁も週2日、朝から晩まで結婚式場の料理サーブのアルバイトに出た。

2人の収入合わせて月20万円弱。

 

なんとか支出を抑え、赤字になるのだけは免れた。

 

それでも以前より寝る時間は充分増えたし、嫁との会話も増えた。

シフト制で時間通り帰れたので、建設業と比べると遥かにマシだと思っていたが…

 

 

セキュリティ警備業は万年人手不足。さらに若手は少ない。

 

やっと新しい職場にも慣れた頃、

隣県の大都市の現場が人手が足りないからと応援に行ってくれと言われた。

 

私が働いていた職場は年寄が多かった。

当然、年齢的に一番若い私に話が来たのだ。

 

この頃は、私の仕事に対する意欲も高かったため通勤ではあるが、評価も上がるし頑張ろうと思って引き受けた。

 

しかし、これが再び搾取される地獄の始まりだった。

収益の少ない警備業、経費削減だと言われ、電車での通勤は禁止、安いバスでの通勤が始まった。

 

自宅から長距離バスの乗り場まで12kmの道のりがある。

 

これは自転車で行くことになった。

 

警備業の出勤時間に対する考え方は、非常に厳しい。

交通機関の不慮の事故や遅延であっても1分でも遅れれば、罰則(始末書・評価減)がつく。

 

そのため朝は、出勤時間より1時間早く着くように、現場に向かう必要があった。

バス停乗り場まで自転車で40分

 

片道2時間バスに揺られ7時半に入るためには朝4時起きだった。

会社都合であっても通勤時間は、勤務時間には入らないと言われ腹立たしく思った。

 

だがそんな事はない、労基署は会社都合の拘束時間は労働として認められるケースがある。

恥ずべき事に、この頃は情弱無知だった。

 

会社都合の長距離通勤で苦労している人は労基署に1度相談するといい。

 

さて、

非番の日は、家に帰りつくのは正午だ。

 

 

 

どんなに会社に貢献しようとも、ダメ上司じゃ報われない

 

通勤に往復6時間の拘束、他人が嫌がることを率先していても結局は会社からの評価は上がらなかった。

 

というか、そもそも評価をする上司がダメダメだった。

この時から私の中に不満の種が育ちはじめる。

 

初めは1ヶ月交代だと言われていたけど、代わりの者は半年経っても来なかった。

気がつけば1年になろうとしていた。

 

この状況を意図的に会社の上司がやっているのが見えてくる。

カツカツの生活しかできない収入

 

何かあった時の為に会社規定を破ってダブルワークを始めた。

疲労が蓄積されるが、前職より体力的にマシだったからまだ行けた。

 

 

人を人として扱わない警備業、手取14万円なのに全国転勤族にさせられ遂に私はブチ切れた

 

遠方勤務だけならまだ良かったかもしれない。

転勤なしの条件で就職したはずなのに全国転勤を命じられた。

 

これまでの1年に渡る遠征・・・なのに、変わらぬ評価、変わらぬ給与、転勤を命じた重役の上から目線の言動に遂に切れてしまった。

 

心の声は吠えていた

 

「俺を物扱いだと!?舐めるんじゃねぇ!」

 

そこからは自分でも驚くくらい迅速だった。

 

再び転職活動。わずか1週間で次の転職先を決めた

転勤を命じられてから、転職活動を会社に感ずかれないように命令どうり単身赴任するものの、シフトの合間に転職活動をした。

 

手っ取り早く元サヤの土建業。

 

現場監督の派遣の面接を受けた。

土建業も万年人手不足に加え、現場監督経験者&若いということで1回面接で即採用になった。

 

どこかの大手さんとはえらい違いだ。

 

つまり、転勤して1週間後には次の転職先を決めていたのだ。

 

私が出した退職願に書いた退職日は提出日からキッチリ2週間後

民法第627条で2週間で認められている。

 

ただでさえ人手の足りない警備業界、突然に辞めると言い出した私に上司は目を白黒させていた。

 

はっきり言ってダメ上司に対する最初で最後の嫌がらせだった。

現場の人間をそろえられない責はそのダメ上司にあるからだ。

 

部下をそういう気持ちにさせたのだから当然の報いだろう。

「警備業は仕事する場所じゃないな、仕事を依頼する立場になろう」

 

それがわずか1年半だけ従事した警備業に対する最後の気持ちだった。