やあ、同志よ私だ元気にしているかい?
あんたは誰かって?
もう忘れてしまったのかい
てめーは誰だって言う奴は、
File.00_身も心も死んでいた【プロローグ】から過去ログを参照してくれ
今回は、2年目で資金ショート赤字転落した後の話しだ。
ここからが本当の地獄だった…
男は、税金で身動きが取れなくり私に泣きついてきた。
今思うと私は、本当に馬鹿だった。
またしてもお金を貸してしまうのだ。
このときはさすがに貯蓄もなく、銀行のフリーカードローンを組み、50万円を工面した。もちろん金が返ってくるはずもない。
私から50万円の金を引き出した男は、何とか税金の一部を払ったのだがまだまだ税金の支払と、借金の返済が追いかけてくる。
焦って思考能力が落ちた男は、無理に売上を伸ばそうとして焼石に水のような粗末な対策をはじめた。
営業時間を8時間から12時間に延長したのだ。
思わぬと足を引っ張ったのがカウンター席の存在である。
5席あるカウンターは入れ替わり立ち代わりお客がいる。
カウンターにお客がいるのに厨房に引っ込むわけにもいかない、必然と仕込みはそれ以外の時間となる。
その男も母も日に18時間は店に居るようになり。
どうにもこうにも2人では首が回らず、やむ負えず遠方に喫茶店修行に出ていた私の妹(店の跡取り)を呼び戻すことになったのだ。
私も母も、修行で飲食業の知識と店舗運営の技術を身に付けた妹の言うことなら、この男も多少は聞く耳を持つかもしれない。
と思ったのだが、
妹が帰ってきても、状況は変わらないどころか悪化した。
男は跡取り娘と言いながら経営の肝である会計処理や提供メニューの決定など「跡継ぎに移行していくべき業務」から妹を遠ざけたのだ。
妹はただの労働力として呼び戻されたことにやる気を無くし徐々に疲弊した。
もちろん給与なんて出ないから、自由にできる金もなく朝から深夜まで働きづめ・・・母と妹の全ての時間は給与という見返りもなく「店」に捧げられた。
そんな妹に、この男はまたも信じられない責任転嫁の一言を放つ
「お前が跡を継ぐ気があると言うから、店をこんなに大きくしたんだ」 と・・・
耳を疑う言葉だ。
税金を払う金がない事を、融資した銀行員へ責任転嫁した前回の話と同じだ。
もう60歳になろうかという大人も、大の大人が
社会人といえまだ20歳そこそこの人間に何を言ってるのだろうか?
まるで借金や税金で苦しいのは妹のせいであると言いたげな言葉
「人の言葉には聞く耳を持たず、なにもかも自分で決めたのは、お前じゃないか!!」
と、妹は思ったらしいが、疲れ切っていて、何も言い返さなかった。
人間は疲れ切っていると反論すらしなくなる、これをいいことにさらに搾取され続ける。同じ環境の人が他にいない状況だとなおさら反論の声は出ない。
この男が金にも時間にも困っているのはそもそもは自身の過去の怠慢が招いたことだ。
店を建てる前に貴重な資金を食いつぶした1年半もの膨大な時間があれば、喫茶店経営のための本をいくらか読めたはずではないのか?
そういった本には、税金の基本的なノウハウや店舗計画のことが載っている。
200坪もありながら広い芝生のアプローチにこだわり、車がわずか6台しか停められない配置に決定したのはダレだよ?
前の店の経験があるにも関わらずスタッフ2人に対して、40席は中途半端に多すぎるとなぜ気づかない?
バランスがとれていない狭すぎる厨房もしかりだ。
原価率をシビアに見られないのなら無駄に多いメニューは不良在庫と同じだ。
大量の食品ロスを生み、さまざまな物を収納するスペースを必要とするのだ。もっとメニューの見直しが必要ではないのか?
物が溢れた結果、計画性のなく作られた小屋も、建てるのに金がかかっている。
事前に調べて計算しておかなかった税金・・・
金が足りなくなれば、他人の金をあてにしている甘さ・・・
自分より立場が弱く決定権のない者への責任転嫁
身内からの労働力の搾取・・・
この男の横暴ぶりは挙げればキリがない。
私が妹が責任転嫁された瞬間に立ち会っていたら男に殴りかかっていたかもしれない。
知ったのはずいぶん後のことだから、憤りのぶつけ場所がなかった。
今回は、このあたりにしようと思う。